3機のベイブレードが収録された豪華セット「トリプルブースター」が超王(スパーキング)シリーズでも登場しました。
今回ご紹介するのは『B-171 超王トリプルブースターセット』の3機で最注目の『テンペストドラゴン.Cm 1A』です。
ギミックを搭載した新収録のパーツも含めた各構成からデザインまで、「エモさの塊」と言っても過言でないほどのニクい演出の数々が詰め込まれています。
さらに、トリプルブースターと言えば、その後の環境に必ず入ってくる強力パーツが毎回収録されているため、注目するなという方が無理な話です!
そこで今回は、テンペストドラゴン.Cm 1Aの各パーツの詳細と、新パーツを使った最強改造をご紹介します。
B-171 テンペストドラゴン.Cm 1A パーツ構成
今回ご紹介する『テンペストドラゴン.Cm 1A』は、先代主人公である虹龍ドラム(こうりゅうどらむ)の新たな愛機です。
『エースドラゴン.St.Ch 斬』『インペリアルドラゴン.Ig'』に続く、3代目のドラゴンモチーフの右回転アタック型ベイとなります。
シャーシ以外は新規パーツという豪華な構成で、そのうえパーツ1つ1つに過去のドラゴンを思わせる要素が盛り込まれていて、開発者のコダワリや愛情が伝わってきます!
また、トリプルブースターの目玉といえば昨年の『ロードスプリガン.Bl.Dm'』の暴れっぷりを思い出さずにはいられません。
ポケモン対戦環境における一時期のガブリアスのような圧倒的なバランスの良さ・汎用性の高さで「デッキにロードスプリガンを入れない」という選択肢が存在しなかったほど。
今回のテンペストドラゴンは、果たして環境にどこまで食い込めるのか、まずは各パーツを1つずつ見ていきましょう。
レイヤー:テンペストドラゴン 1A
まずはレイヤーのテンペストドラゴン 1Aから見ていきます。
見た目の第一印象は「デザインはエースで、ギミックはインペリアルっぽい」でした。
スパーキングチップ:ドラゴン
ドラゴン | |
---|---|
攻撃力 | 1 |
防御力 | 1 |
持久力 | 1 |
重量 | 0 |
機動力 | 0 |
バースト力 | 0 |
今回初登場のドラゴンは、性能面ではいたって普通な右回転のスパーキングチップです。
ロックの硬さ・長さも標準的で、ハイペリオン等との違いは表側のデザインのみと考えて良いでしょう。
たとえばラグナルクは若干硬いかなと感じるのですが、意図的につけられた差なのか、それともただの個体差なのか、判断が難しいところですね。
リング:テンペスト
テンペスト | |
---|---|
攻撃力 | 3 |
防御力 | 0 |
持久力 | 1 |
重量 | 3 |
機動力 | 0 |
バースト力 | 2 |
今回初登場、そして超王トリプルブースターセット最注目パーツのテンペストは、アタックタイプの右回転専用リングです。
最大の特徴は、覚醒機能も備えた4つのバウンド刃です。
インペリアルを彷彿とさせるギミックですが、大きな違いは「覚醒しやすく、戻りやすい」という点にあります。
バウンド刃は最大まで動くと固定される仕様になっているのですが、まず「強くシュートしただけ」で、刃がマックスまで動いて覚醒モードになります。
さらに、バトルの途中で相手と接触していると、その衝撃で刃が元に戻ります。
インペリアルの場合は覚醒にも時間がかかり、そして完全覚醒まで移行すると、衝撃を受けて元に戻ることは、そうそうありません。
これは、テンペストとインペリアルのどちらが良いという話ではなく、「似たようで性質の全く異なるギミックになっている」ということです。
トリプルブースターの発売前は「テンペスト次第ではデッキからインペリアルが抜けるかな?」とも思っていましたが、上位互換・下位互換の関係ではないため、「同じパーツ構成でレイヤーだけ交換すれば強くなる」とはならなそうですね。
覚醒時のサイズ感は超王レイヤーシリーズの中でも最大クラスの大迫力です。
また、ギミックを内蔵していることによる重量増の結果、2020年8月時点での最重量の右回転専用リングとなり、その重量はリング単体で13gと、ブレイブの12.3gを上回る結果となりました。
ちなみに私は爆転ベイ・メタベイのリメイク版にしかステッカーを貼らない主義なのですが、テンペストは貼るのもアリかなと少々揺れています。
というのも、刃に貼るステッカーが、前作アニメ最終盤で登場したレインボーターボをイメージした虹色で、この配色はグッとくるものがあります!
そのステッカーを貼る部分の意匠は、エースの刃の形状にも似ていますね。これまた熱い!
ダブルシャーシ:1A(ワンエー)
1A(ワンエー) | |
---|---|
攻撃力 | 4 |
防御力 | 1 |
持久力 | 0 |
重量 | 7 |
機動力 | 1 |
バースト力 | 2 |
シャーシには、右回転専用アタックタイプのダブルシャーシである1A(ワンエー)が採用されています。
超王シリーズで最初に登場した1機の『B-159 スーパーハイペリオン.Xc 1A』に収録されていたダブルシャーシです。
新シリーズが開始して約5ヶ月、ダブルシャーシの再録は今回が初となります。
シリーズ初期に登場したパーツは、性能面で微妙な立ち位置になることが多いのですが、この1Aもその1つ。
正直、5Gデッキで1Aを採用する理由・1Aでなくてはならない理由が、あまり思いつきません。
ロックの硬さでは1Bに劣り、アタック面ではラバーを搭載した2Aに比べるといまいちパッとしない、なんて印象が現在の1Aに対する評価です。
ただ、現役主人公機であるハイペリオンに使われているパーツが、先代主人公の新ベイに使われるというのは、これまたニヤッとしてしまう演出ですので、個人的には今回のテンペストドラゴンへの1Aの採用はアリよりのアリです!
初のレアカラーをゲット!
そしてなんと、レアカラーをゲットできました!
GTシリーズからベイブレードバーストを始めて、今回が初のレアカラーの当たりとなります。
超王シリーズのレアカラーは、シャーシのメタル部分が塗装されており、今回当たった1Aですと青く塗装されています。
トリプルブースターの場合、レアカラーのシャーシが同時に2つ手に入るので、なんだか運を一気に使ってしまった気もしますね。
ドライバー:Cm(チャージメタル)
Cm(チャージメタル) | |
---|---|
攻撃力 | 1 |
防御力 | 0 |
持久力 | 0 |
重量 | 5 |
機動力 | 2 |
バースト力 | - |
テンペストと並んで注目が集まっていた新パーツが、ドライバーのCm(チャージメタル)です。
エースドラゴンに収録されて初登場した重量級ドライバーのCh(チャージ)が軸先までメタル化してさらに重量アップ、それに伴って形状を一部変更して今回新たに登場しました。
気になる重量を見ていくと、チャージの14.8gに対し、チャージメタルが16.2gと、1.4gの重量アップを果たしています。
軸先まで金属になった代わりに、肉抜き箇所が増えているため、重さ自体は微増という結果に落ち着きました。
その軸先は『ライトニングエルドラゴ.10R.Z' 極龍Ver.』のZ'(ゼファーダッシュ)と同じような中央に穴の開いた形状となっています。
形状そのものよりも、軸先がメタル化してしまったために「使い込むことによる性能変化が起こらない」という点が少々気になりますね。
また、体感ですが、内蔵されているバネがやや弱く感じました。
ドライバーは重いほどバーストのリスクが高まりますので、最重量クラスのドライバーであるチャージメタルは、バーストされにくいダブルシャーシとの組み合わせが前提になるかもしれません。
デフォルト構成
合計点 | |
---|---|
攻撃力 | 9 |
防御力 | 2 |
持久力 | 2 |
重量 | 15 |
機動力 | 3 |
バースト力 | 4 |
B-171 テンペストドラゴン.Cm 1Aをスタンダードスタジアムで戦わせた感想です。
デフォルト構成での戦闘力は『ブレイブヴァルキリー.Ev' 2A』『レイジロンギヌス.Ds' 3A』と並んで、文句なしに超王シリーズ最強クラスです。
理屈はとにかくシンプルで、ひたすら重い…これだけです。
デフォルト状態での重量は78.3gと、ぶっちぎりの最高スコアをマーク。
重たいと言われていたレイジロンギヌスですら68gで、テンペストドラゴンがそのレイジよりも10g以上も重たいとなれば、そりゃもう強さにも納得ですよと。
ただ、懸念していた通り、バーストは結構されますね。
ロックが緩めのダブルシャーシですと、これまでには『ミラージュファブニル.Nt 2S』の2S(ツーエス)がありましたが、デフォルト構成だとNt(ナッシング)が軽いのもあって、バーストはそこまで起きませんでした。
テンペストの場合、1Aは2Sよりもロックが硬いものの、チャージメタルが緩いうえにとにかく重たいことが、バーストされやすさに繋がっています。
これまでのダブルシャーシ搭載超王ベイの中では最もバーストされやすいと感じるほどですね。
とは言っても、ブレイブヴァルキリーやレイジロンギヌスと激しいぶつかり合いをしても、バーストされずに相手を場外へ叩き出す割合の方が遥かに多いです。
このあたりの強さは、さすがトリプルブースターの目玉といったところでしょうか。
テンペスト最強改造:電動ドライバーとの親和性が高すぎる
それでは、テンペストドラゴン.Cm 1Aに収録されている新パーツを使った改造例をご紹介します。
発売前は「インペリアルと置き換わるか」と考えていたテンペストですが、実際に回してみるとインペリアルとはまったく性格の異なるレイヤーだと感じました。
さて、そんなテンペストの改造例としてご紹介するのが『テンペストルシファー.Ig' 1S』です!
「インペリアルのパーツやないかい!」と思うかもしれませんが、インペリアルドラゴン.Ig'のデフォルトって別に強くないですよね。
突然ですが、Ig'と最も相性の良いレイヤーって何だと思いますか?
タクト極だったりマスターだったり、色々な意見があると思いますが、私は「理想の動きをしてくれるパーフェクトフェニックス」だと考えていました。
そしてその「理想の動き」とは、バトルの中盤あたりでアーマーだけが外れて、径が小さくなった状態でスピンフィニッシュ勝負に持ち込める場合、というイメージです。
回転がフレッシュな序盤は相手とぶつかって当たり負けたり、飛ばされた時にオーバーされたりしないよう、なるべくレイヤー径を大きくしておきたいです。
一方、終盤で回転が弱くなってきた時は、径が小さくて重心が中心にある方が、イグニッションダッシュが起きやすく、姿勢を保ちやすくなります。
それを両立できる可能性があったのがパフェだったということですね。
しかし、パフェの場合、アーマーだけ綺麗に外れるかが運にかなり左右されます。
アーマーが外れなかったり、アーマーだけでなくそのままバーストもされてしまったりと、これがなかなか難しい…。
ちなみに「理想の動き」にならない場合はパフェよりもタクト極の方が優秀ですね。
今回紹介するテンペストルシファー.Ig' 1Sは、その「理想のパーフェクトフェニックスの動き」を実現しつつ、レイヤー重量やロックの硬さをパフェ以上に強化できる、まさにイグニッションダッシュの運命のパートナーです!
テンペストのバウンド刃は、強いシュートを撃てば覚醒モードに入り、相手とぶつかっていれば割と簡単に戻ります。
そのため、序盤は大径レイヤーとなり、終盤ではコンパクトにまとまったレイヤーへと変化する、遠心力ギミックに近い動きをしてくれるのです。
そして遠心力ギミックを搭載したベイとの大きな違いは、相手とのぶつかり合いが無ければバウンド刃が戻ったりしないくらいの固定力はあるため、刃がかちゃかちゃと動いてしまうような「遊び」が無いことです。
極や閃以外のウエイトを付けた時のタクトの爪のように、遠心力だけで広がって、回転が落ちただけで元に戻ってしまうようなギミックが相手と接触すると、スタミナを一気に失います。
その点、刃を動かすのにある程度の力や衝撃を必要とするテンペストはスタミナロスの心配がありません。
加えて、終盤で傾いてしまいがちなイグニッションダッシュとテンペストの形状も相性が良いです。
テンペストの刃はインペリアルのようなフラットでなく、傾斜がゆるやかなアッパー刃となっています。
背の高いイグニッションを履いた状態で相手と接触しながら傾いていくと、この刃が上から相手を押さえつける働きをしてくれるのです。
さらに、押さえ込みつつバウンド刃が覚醒状態から戻ると、姿勢が一気に安定し、そのままスピンフィニッシュを決められます。
メタル内蔵のルシファーチップを付けているのも、ベイ全体の重量増を狙ってというよりも、重心がなるべく中心に来るように、という目的です。
発売日当日、BLADERSメンバーで6時間ほど検証会を行ったのですが、テンペストがこの勝ちパターンを決めることが非常に多く、パフェのアーマーパージのような「運任せ」にならず充分に「戦略」として組み込めると判断しました。
インペリアル以上に、インペリアルのパーツを使いこなせるという、なんと言いますか「主人公の成長」を感じられる気がして、この組み合わせはぜひ試していただきたいですね。
まとめ
『テンペストドラゴン.Cm 1A』は、年に1度のトリプルブースターセットの目玉にふさわしいベイブレードでした。
特にテンペストは、インペリアルの後継機のようで性格は異なり、だけどその違いによってイグニッションとの相性が高まるなどなど、「思っていたのと違ったけど、これはこれでヨシ!」という大満足な結果となりました。
チャージメタルについても、早速5Gデッキ入りしましたので、そちらの改造例についても追記させていただきます。
そのほか2機のベイも、見逃せないパーツが多数収録されていますので、合わせてチェックしてみてください。